01ATTRACTIONS

鋸山 見どころガイド

鋸山 見どころガイド
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鋸山 見どころガイド
鋸山(のこぎりやま)
とは?

千葉県富津市金谷と鋸南町の境に位置する鋸山。かつては上総国と安房の国の国境でした。標高329.5m とそれほど高い山ではないものの、山腹に険しい岩肌が露出しているため、際立った存在感があります。山頂部分が鋸の歯の様にギザギザであることが、「鋸山」の名の由来と考えられます。石切場の産業遺産と日本寺の仏像群が彩る独特の景観が魅力で、2021年には文化庁の「日本遺産候補地域」に選ばれ(2024年の日本遺産認定を目指しています)、“Deep Japan”として外国人観光客にも人気。気軽に絶景を楽しめるロープウェーも運行しています。

鋸山の見どころ : 産業遺産篇

INDUSTRIAL HERITAGE

鋸山ならではの景観を作っているのが、江戸時代から続いた房州石採掘の産業遺産。
垂直に切り立つ絶壁がまるで巨大な彫刻のような「ラピュタの壁」や、切り出した石を運ぶために作られた「車力道」など、かつての大産業の名残が、山中の至るところに残っています。

ラピュタの壁

01Wall of Laputa

垂直に切り立った絶壁が特徴の石切場跡。良質な石材を追い求め、奥へと切り進んだことによりできた横穴がアクセントとなり、まるで巨大な彫刻のような美しさがあります。その壮大な景観が「天空の城ラピュタ」を想起させることから、いつしか「ラピュタの壁」と呼ばれるようになりました。

岩舞台

02Stone Stage

鋸山には大小の「石切場跡」が数多く点在しています。この岩舞台は昭和60年まで採石を続けた最後の石の元締めである芳家石店の石切場跡。岩に刻まれた「安全㐧一」の文字が印象的です。岩舞台の名の通り、岩が舞台のような形状に切り残されており、実際にコンサートが行われたこともあります。

車力道

03Shariki-michi

車力道は、かつて鋸山から切り出された「房州石」を麓まで運び降ろすのに使われた道で、貴重な産業遺産の一つ。石を運ぶ人達は「車力(しゃりき)」と呼ばれ、主に女性でした。1本80kgの房州石3本を「ねこ車」と呼ばれる荷車に載せ、石を敷いた急な坂道をブレーキをかけながら下りました。

樋道

04Toi-michi

鋸山の山頂域の石切場から切り出した石材は、まず「樋道(といみち)」という石の滑り台を滑らせて山腹へ下ろします。「樋道」には必ず石段が併設されます。石段は、石材が滑り降りる速度を調節する作業者の足場になり、麓から石切り場まで朝晩往復するための通路としても使われました。

索道跡

05Old Sakudo

山頂域の石切場と麓をワイヤーケーブル(索道)で繋いだ、石材運搬システムの跡です。急勾配の「鋸山」から房州石を産出することは、現地の遺構、歴史的資料等が示すように、大変な重労働でした。この山麓に残る「索道跡」は、「索道」の終点で、段差にトラックの荷台を付けて石材を積み込みました。

観音洞窟

06Kannon Cave

まるでファンタジー世界の遺物のような観音洞窟。この神秘的なかたちは、良質な石材を追求し、掘り出した結果できたもの。階段状の掘り残しは、崩落防止のためともいわれています。壁面には、「観音洞窟」の名前の由来でもある小さな観音様が刻まれています。※洞窟内は立入禁止となっております。

切り通し跡

07Old Kiri-doshi

切り出した石材やズリ(石の屑)の搬出路として、岩壁を切り抜いて作った道が「切り通し」。鋸山のいたるところで見られる産業遺産です。石を切り進めながら、それらを効率よく運ぶための新しい搬出路も同時に作るという、合理的なスタイルが垣間見られます。ちなみに、特徴的な横縞模様は石を切り出した跡です。

猫丁場

08Neko-choba

2021年に新たに整備された、鋸山中腹では唯一の見学可能な石切場跡。付近の岩場には地元アーティストによる作品が設置されているほか、東京湾や富津市方面を望む眺望も楽しめます。また、岩壁には名前の由来となったかわいらしい「猫」が彫られています。ぜひ見つけてみてください。

鋸山の見どころ : 日本寺篇

NIHONJI

鋸山の斜面に10万坪もの境内を持つ日本寺。
鋸山の代名詞ともいえる断崖絶壁「地獄のぞき」に加え、高さ30mにもおよぶ巨大な観音像「百尺観音」や、1553体もの石仏群「千五百羅漢」など、多様な仏像が圧倒的な景観を作り出しています。

※日本寺エリアは、拝観料が必要です。

地獄のぞき

01Jigokunozoki

鋸山を代表する絶景ポイント。切り立った岩の先端から、大パノラマを見下ろすことができます。真下は断崖絶壁。空中に立っているかのような浮遊感があり、足が竦むようなドキドキ感があります。晴れた日には富士山も見ることができますが、景色を楽しむ心の余裕があるかどうかはあなた次第です。

日本寺大仏

02Nihonji Daibutsu

鋸山の山中に広大な境内が広がる、約1300年もの歴史がある「鋸山 日本寺」。座像の石仏として日本一大きな大仏さまの正式名称は「薬師瑠璃光如来」で、江戸時代の天明期に作られたと伝えられています。現在の大仏さまは昭和44(1969)年に復元されたものとなっています。

百尺観音

03Hyakushaku-Kannon

こちらも日本寺の境内にそびえる大観音石像。壮大な岩の壁(切り通し)を抜けた先に現れる、高さ100尺(約30m)にも及ぶ巨大な石像は、とてもミステリアスな魅力に満ちています。世界大戦の戦没者や交通犠牲者の供養のために彫られたもので、交通安全の守り本尊として崇められています。

千五百羅漢

04Sengohyaku-Rakan

江戸時代中期の頃、石工・大野甚五郎英令が門弟27名とともに21年もの歳月ををかけて彫った、1553体におよぶ石仏群。一つとして同じ顔のない石仏たちが、自然の洞窟に安置されている神秘的な景観は圧巻です。自分や知り合いに似ている石仏がきっといるかも? じっくり探してみるのも一興です。

日本寺とは?

鋸山の南斜面約10万坪を境内とする日本寺。約1300年前の神亀2(725)年、聖武天皇の勅願により、奈良時代の僧・行基によって開かれた関東最古の勅願所です。かつては七堂十二院百坊を持つ大寺で、良弁、空海、円仁らが訪れ修行したといわれています。また、境内にある樹齢800年を超える大蘇鉄(頼朝蘇鉄)は、源頼朝が日本寺で再起の際の武運を祈願し、自ら手植えしたと伝えられています。隆盛を経て、美しい自然とともに長い歴史を現在に伝えている貴重なお寺です。

鋸山の見どころ : その他

OTHERS

展望台

01Observation Deck

眼下に東京湾を望む、360度のパノラマビューが人気の展望台。ベンチも備えられているので、お昼休憩にもぴったり。天気がいい日は、対岸の久里浜や富士山も望めます。展望台から約500m(20分程度)で鋸山山頂(標高329.5m)に到着できるので、セットで訪れるのがおすすめです。

鋸山山頂

02Nokogiriyama Summit

標高329.5m地点にある鋸山の山頂。展望台の少し先、金谷側からJR保田駅方面へと続く関東ふれあいの道コースのルート上にあります。見晴らしは展望台には劣りますが、山頂での記念撮影は思い出になります。地獄のぞき、鋸山ロープウェー山頂駅からは少し離れた場所にあるのでご注意ください。

鋸山ロープウェー

鋸山ロープウェー

NOKOGIRIYAMA ROPEWAY

手軽に鋸山を楽しむなら、ロープウェーの利用がお勧め。山頂駅までわずか4分で到着、東京湾を臨む絶景が楽しめます。

●営業時間:
[通常]9:00〜17:00(2/16〜11/15)
[冬季]9:00〜16:00(11/16〜2/15)
※通常約15分間隔で運転

※強風など荒天時に運転を休止することがあるので、事前に運行状況をご確認いただくと安心です。