金谷に来たら、海釣りもしてみたい! 初心者でも気軽に楽しめる堤防釣り

金谷の魅力は、鋸山だけではありません。比較的波穏やかな東京湾に面した金谷は、釣りの一級ポイントでもあるのです。

金谷周辺の釣りスポット

鋸山からの伏流水に恵まれ、浦賀水道の海流のある東京湾・金谷界隈は、釣りに精通した人たちの間でもクロダイやメジナ、イカ、大型のアジなどが釣れる場所として有名です。
しかし、明鐘岬近辺をはじめとした磯場の釣りは、波や足場の悪さなどから危険を伴うこともあるので、初心者には、堤防からの釣りをおすすめします。
車でなくても、東京湾フェリーやJR浜金谷駅から歩いて、釣り場へアクセスすることも可能ですし、足場が良いので、お子さんがご一緒でも気軽に楽しめます。

金谷周辺で堤防釣りが楽しめるのは、北港周辺、フェリー港周辺、金谷漁港周辺の3ヶ所になります。

北港

北港。お天気の良い日は眺めも最高!


広く足場の良い堤防です。駐車は、近くの芝崎海岸の駐車場を利用します。

平日は砕石・土砂の積み下ろしなどに利用する場所で、ダンプカーが行き来していますし、危険なので、利用はできません。日曜祝日のみ利用可能です。
すぐ近くの「釣り具益本」(週末・祝日のみ営業)でエサやちょっとした仕掛け類は購入できます。

芝崎海岸の駐車場

フェリー港

東京湾フェリーが着岸する港の反対側の堤防は、足場がよく、人気の釣りポイントです。休日には釣り人がズラリと並ぶことも多いので、譲り合って利用しましょう。
東京湾フェリーの駐車場が、1日1回600円で利用できます。

フェリー側の堤防やその先の灯台周辺は、テトラポットの間に落下したり、波をかぶったりする危険性もあり、フェリーの運航の邪魔にもなるので、おすすめしません。

フェリー港側。外側はテトラポットが入っていて、釣りしにくく、テトラポットの間に落下すると非常に危険!

金谷漁港

金谷漁港

金谷川の河口から南側の一帯は、漁港となっています。
港の左右からのびる防波堤が釣り場になります。すぐ近くの国道127号沿いには「岡澤釣具店」があります。

漁港は、職漁・遊漁のために使われる場所です。漁港周辺のスペースは、漁協が土地を市や国から借り上げ、漁師や卸業者、遊漁船のお客様の駐車に利用しています。
場所が空いていたから……と無断で車をとめてしまうと、出入りの邪魔になったり、遊漁船のお客様がとめる場所がない、など迷惑になることもあります。
漁港で釣りをする場合は、金谷海浜公園(無料)、または浜金谷駅前の有料駐車場(黒河つり具店で受付)、その他周囲の有料駐車場に駐車して釣りを楽しみましょう。

海浜公園駐車場

初心者向けの釣りに必要なもの

釣りに基本的に必要なものは、タックル(竿やリールなど)、ライン(釣り糸)、仕掛け、そしてエサです。
何を釣るかによって、道具の選び方がまったく違いますので、ここでは、初心者が比較的釣りやすい方法として、「サビキ釣り」を例としてご紹介します。

タックル選びは、釣り具店で店員さんに相談してみよう

金谷地区の釣り具店では、安価なリールと竿のセットなどは売られているものの、安価なものは、壊れやすかったり使い勝手もいまひとつだったりで、あまりおすすめできません。また、レンタルの堤防釣りの道具は、金谷に扱っている場所はありません。
お住まいの最寄りの釣り具店、または金谷に来る前に、木更津市周辺の釣り具量販店(木更津 キャスティング上州屋など)で調達しておくのが無難です。

釣り方を相談して、釣り具店の店員さんに選んでもらいましょう。基本的に3mくらいの細めのリール付きの竿があれば、OK。リールには太さや材質が見合ったライン(釣り糸)を巻いてもらいます。

仕掛けとエサを用意

「サビキ釣り」の場合、ラインの先には、「サビキ仕掛け」と呼ばれる複数の釣り針がついた仕掛けをつけ、上部には餌を入れる「コマセカゴ」をセットし、下部には仕掛けがスムーズに海中に落ちるように重りを付けます。
サビキ仕掛けは、針の大きさ、針についた飾りの色や形などが千差万別で、その選び方ひとつで、釣れる・釣れないが左右されるのが難しいところです。
タックル購入時に仕掛けとエサも一緒に購入しておいても良いですし、金谷の釣り具店でも、仕掛けやエサは購入できます。
金谷の釣り具店なら、その時に釣れている魚に適した仕掛けやエサの情報が聞けるかもしれません。

いろいろなサビキ釣り用の仕掛け

重り。さまざまな重さ、サイズのものがあるので、仕掛けと合わせて適したものを釣具店で選んでもらうといい。

エサは「アミブロック」「あみこませ」などと呼ばれる小さなエビが冷凍のブロック状になったものを用意。1袋(数百円)あれば、半日程度は釣りを楽しめます。
匂いや手がベタベタするのが嫌な人は、少し割高ですが、チューブに入ったタイプのものもあります。

冷凍あみこませ

手が汚れにくいチューブタイプ

その他必要なもの

他には、釣れた魚を入れるクーラーボックス、水汲みバケツ(手洗いや魚の一時保管に海水を汲めるようにロープがついたものがいい)、エサのブロックを入れておく蓋つきのバケツ、魚つかみ(トングのようなもの。あると便利)、手拭きのタオルなどを用意しましょう。

水汲み用のバケツと手拭きタオル

エサ用のバケツ

服装と装備

めったにないこととはいえ、落水に備えてライフジャケットを着用しておくのも大切です。堤防から落水すると、自力で上がるのは難しく、命の危険すらあります。子ども用なら3,000円程度で買えます。是非用意しましょう。

ライフジャケット。左側は子供用。

また、屋外での釣りは自然が相手。思ったよりも寒かったり暑かったりします。
冬は防寒用の上着や暖かい履物や帽子、ホカロンなど、夏は日差しを遮る帽子や風通しの良い長袖服、日焼け止め、水分補給用の飲み物などを準備しましょう。

サビキ釣りで釣れる魚

小型のアジやサバ、イワシ類がサビキ釣りの主なターゲットです。ただし、集団で回遊する魚なので、群れがまわってきている時は面白いように釣れますが、タイミングが合わないと、全然釣れないことも多いことは覚えておきましょう。

アジ

イワシ

サバ

金谷の釣り具店

エサや仕掛けの調達、釣りの情報収集などに立ち寄ってみましょう。その時に釣れている魚に適した仕掛けや場所のリアルな情報も聞けるかもしれません。

金谷には、それほど大きな釣り具店はないが、仕掛け、釣り針、ウキ、エサなどは調達可能。

黒河つり具店

JR浜金谷駅前
住所:富津市金谷2197
営業時間・定休日:基本的に定休日なしで朝から夕方まで開いていますが、店主の都合で閉店していることがあります。荒天時は休業。

黒河釣り具店

岡澤釣具店

国道127号沿い鋸山ロープウェイ乗り場入り口横
住所:富津市金谷3970-13
電話:0439-69-2232
営業時間:4:00〜21:00
定休日:無休
※営業時間・定休日は、季節・天候などにより、異なることもあります。荒天時は休業。
http://www.koushin-group.jp/

岡澤釣具店

いざ、実釣!!
場所を決める

初めて訪れた場所では、どこで釣っていいものか見当がつきませんが、すでに釣りをしている人や、釣り具店などで情報をきいて、ポイントを決めましょう。
隣で釣っている人がいる時は、ひと言「ここに入っても大丈夫ですか?」などの声がけを。
漁港で釣る場合は、作業をしている漁師さんの邪魔にならないか、確認しましょう。

基本的な釣り方

サビキ釣りの基本は、仕掛けの上にセットしたカゴに解凍したエサを詰め、ほぼ下に落とすようにして海中に投入し、仕掛けを上下してカゴの中のエサが海中に散るようにし、魚が寄ってくるのを待ちます。

魚がいればすぐに寄ってくることも多く、針にかかれば、手元にビビビッと感触が伝わってきます。あとはリールを巻いて引き上げ、クーラーボックスなどに魚を収納しましょう。

釣れない時は、少し遠くに投げてみたり、仕掛けを沈める深さを変えてみたり、仕掛けを変えてみたり、場所を変えてみたり…と、工夫してみましょう!(これが一番難しいところです…)

その他知っておきたいこと
気象

金谷は比較的温暖で穏やかな気候ですが、時折風が強い日もあります。風が強く吹けば波が高いことが多く、夏から秋、台風が近づいている時は、天気は良くても波が高いこともあります。
東京湾に面していて、外房や太平洋に面した湘南などよりは穏やかな海とはいえ、高波が予想される時は、釣りは中止にするのが賢明です。地震などの影響で、津波警報が発令されている時も、海には近づかないようにしましょう。

荒天時の北港。波が高い時はとても危険。

トイレ&食事情報

公衆トイレは、海浜公園内、フェリー港前の公園、芝崎海岸にあります。

海浜公園トイレ(駐在所横)

フェリー港前の公園

芝崎海岸の駐車場とトイレ(奥)

金谷地区には、名物のアジフライを味わえるお店が点在し、カフェ、その他の飲食店、セブンイレブン、ファミリーレストランの「ガスト」など、いろいろなお店がありますので、釣りの合間においしいものを味わえます。

マナー

釣り場となる場所は、本来、漁業、土砂運搬、フェリーの運航などのために作られた場所です。そのことを忘れずに気持ちよく釣り場を使いたいものです。

立ち入りが禁じられている場所には、入らないように。

天羽漁業協同組合の金谷支所長・佐藤さんのお話では、残念なことにゴミの放置、係留してある船への不法侵入(備品の無断拝借や盗難、船のトイレの無断使用)があとを絶たないそうです。ゴミの持ち帰りはもちろんのこと、エサや魚のうろこなどで足元が汚れたら水で洗い流すなど、使った場所はきれいにして帰りましょう。

また、漁船が釣りをしているそばを通る際は、海中に投じていた仕掛けはすぐに回収する、船の係留場所で釣りをしていたら、帰船時には速やかに移動するなど、邪魔にならないように心がけましょう。
フェリー港周辺で釣る時も、フェリーの着岸・離岸時は、一旦仕掛けを回収して、海面のうねりが収まるのを待ったほうが安全です。

それでは金谷で良い釣りを!

西野 美和

WRITTEN BY

西野 美和

東京で広告代理店、出版社勤務のブラックな働き方の後、フリーランスに。同時にダンナと鋸山の麓に移住し、早いもので四半世紀が経過。
ダンナと共に編集仕事(ライティング、デザイン、DTP、イラスト、経理まで)をして釣りやDIY、アウトドアの本を作りながら、房総暮らしを楽しむ。個人的に好きなのは、畑仕事とパン作りと魚料理。
房総爆釣通信 https://bosobakucho.jp

おすすめ記事RECOMMEND